Sharkenstein

第二次世界大戦中、ヒトラーはフランケンシュタインを生物兵器化する恐るべき計画を進めていたが、実戦に投入される前にナチスドイツは敗北してしまう。 それから時は過ぎ、現代のアメリカのとある港町で行方不明者が続出していた。 観光に訪れたマッジたちは偶然ネオナチスの研究所に迷い込み、世界征服を目論む悪の科学者クラウスがサメとフランケンシュタインを合体させ生み出した最凶の怪物 “>シャーケンシュタイン” の存在を知る。 果たして彼女たちはこの邪悪な計画を阻止することができるのだろうか…!? (引用元:https://landshark.crayonsite.com/p/42/) もうあらすじだけで具合が悪いわけですが、ちゃんと最後まで見ました。 ①雑すぎるCG お話はまず第二次世界大戦中のナチスドイツが何やら怪しい研究をしているところから始まります。過去話だからか画面はモノクロ。月夜の海(たぶん)面にUボートが 水しぶきと共に姿を現します。不気味です。なにが不気味って海の背景にシールで貼り付けたみたいなUボートと、およそ船体から吹き上がるとは思えない謎の水エフェクト、おまえのことだよ。冒頭からすでに挫かれる緊張感。 ナチスは兵器としてのフランケンシュタイン研究を進めていましたが、実用化する前に敗北。計画はは永久に闇に葬られた……はずでしたが、その技術を用いて世界征服を企む人間がなんと現代アメリカに存在。彼はサメとフランケンシュタインを合体させた「シャーケンシュタイン」を生み出すことに成功します。 シャーケンシュタインはビーチに忍び込み、人知れず人間を襲い始めます。この襲う描写がまた雑で……これはもう実際の映像(実際の映像?)を見るのが一番手っ取り早く理解頂けるんですが、なんかサメの一枚絵が人間の前に突然現れ、咀嚼音とともに突然消える。おわり。何が起きているのかまったくわからねえ……。 サメのビジュアルもまたなんとも言えず、フランケンシュタインらしく継ぎはぎされているのですがなんか裁縫初心者が作ったぬいぐるみ感がすごく、特に見た目は怖くないです。これはもうZ級サメ映画あるあるなのかな。かわいいです。よく言えば…… 他にもCGはたくさん使われており、嵐になりそうな曇天(CG)から視線を戻すと快晴とか、ダイナマイトを仕掛けた建物が炎に包まれているのに建物は全然燃えていないとか、CGそのものだけでなく使い方も雑すぎて見ていて具合が悪くなります。 ②急に繰り出されるフランケンシュタイン愛 後半はバカンスでこのデンジャラス海岸を訪れた女の子マッジと湾岸警備隊(?)のおじさんが打倒サメに奔走するんですが、話の流れで実はマッジはフランケンシュタイン映画の大変なマニアであることが判明します。急なオタクトークやめろ。おじさんも「ハマー・プロは?」とマッジに尋ねたりと微妙に知識があり、とにかくフランケンシュタインに対して愛がある映画であることは間違いありません。 ③とにかく全てが雑 コレはもうツッコミだしたらキリがないんですけど、海から上がった次の瞬間服が完全に乾いてるとか、どう考えても海底に足がつくロケーションじゃないだろうと思われるところで立ち上がるとか、州の弾薬庫として使われていた廃屋にまだダイナマイトが残っているとか(危なすぎ)、後半二十分くらいで急に登場人物(モブ)が十人くらい増えるとか、意味不明なタイミングで挟まれる意味不明なBGMとか、なんかもうどうでもよくなってきたな。 そんな感じです。いやー元気出るな!(げっそり)

August 29, 2023

Ouija Shark

ずっと気になっていた作品を遂に見ました! ジルは旅行先のビーチで古びた木片を拾うが、それは霊界と現世を繋いでしまう魔のアイテム”ウィジャ盤”だった。 ウィジャ盤の魔力により、ジルとその友人達は霊界から凶暴な人喰いザメを召喚してしまう。 ウィジャ・シャークは次々と人間を襲い、町は一転して大パニックに。 神出鬼没で無敵の霊体ザメを打ち倒す手段を知るのはただ一人、超能力を操るジルの父親だった…。(公式サイトより) これ「打ち倒す手段を知るのはただ一人、超能力を操るジルの父親だった」って書いてあるのを見てそうだったかなと思ったんだけどもう一回最初から見たほうがいいのかな。 ①ビーチに集合の約束で来たのに置いていかれるジルかわいそう まずね主人公のジルは友達数人とビーチで待ち合わせの約束をしていて森にやってくるんですけど、みんな遅れていて誰も来ない。仕方ないので一人で泳いでいるうちに謎のウィジャ盤が流れ着き、訝しんでいるところへ友人キムから「他メンバーは先に宿泊先行ってるね!!」と電話が入ります。ひどいが?? 泳いでいるジルが不思議な気配(サメ)に気味悪がるいいシーンでもあるんですが、そもそも場所が森の中の静かな湖畔みたいな場所で、正直サメとか出なさそうだなというチグハグ感がとてつもなかったです。ネッシーとかならいるかもしれないけどさ……。 ②謎の洗車シーン ジルは無事宿泊先の家にたどり着き友人たち(キム・ドナ・ジェン・ティファニー)と合流。プール付きの豪邸でみんなテンションが上がっている中、ティファニーは偶然お隣に住む男性が洗車しているところに遭遇します。これは恋の予感……!。 みんながプールで楽しく遊んでいるあいだ、ティファニーは男性と意気投合し(?)洗車を手伝うのですが、この洗車シーンが無駄に長い。なんかいい感じの音楽をバックに二人がひたすらHONDAのマイカーを洗車し、洗車し、水着になり、洗車し、まだやるの?コレ という気持ちになってきます。 ③IKEAのサメみたいな霊体ザメ 食後の余興(?)でついうっかり霊体ザメを召喚してしまったジルたち。サメは新鮮な肉を求めて自由にこの世を動き回り始めるのですが、造形がどうにも布か粘土でできた可愛いサメで、見た目的な迫力にイマイチ(かなり)欠けます。オバケの迫力ってべつに見た目どうこうじゃないと思うんですが、全身出ちゃってるしCGは低予算だし、人間に噛みつく時の音も「サクッ」と言う感じで、どう見てもスタッフがリンゴをかじる音です本当にありがとうございました。 ④ジルのパパ「オカルトは遊びじゃない」 霊体ザメを呼び出す儀式を行った夜、ジルは不安になり父親に電話をします。パパに電話してどうすんだよ と思ったんですが、どうやらジルのパパは「召喚は専門外だが……」とのことでその道に通じた人だったようです。そうなんだ……? パパは「オカルトは遊びじゃないんだぞ」とジルを窘め、ウィジャ盤と霊体ザメについて調べ始めます。そしてサメの精霊について書かれたInternet articleを見つけ、ジルに迫る危機を防ぐため行動に出ます。 ⑤霊力対決!霊界サメ大戦 腹ペコの霊体サメは人間たちを次々容赦無く襲っていきます。友人たちが襲われ、鍵となるウィジャ盤も紛失してしまい窮地に陥るジル。その頃ジルのパパは霊媒師を訪問し、霊体サメの意識をジルから逸らし自分たちの方へと向けさせることに成功します。霊媒師のお姉さんが。しかしその過程でパパは命を落としてしまいます。のちにウィジャ盤を取り返したジルがウィジャ盤に「私たちの救世主は?」と尋ねると「パパだよ。お前を愛してるよ」との返答が返ってきます(ここは泣くところです)。ちなみにウィジャ盤を取り返すくだりもなかなかアレなのでぜひ本編を見て欲しい。 さてさて……なんとパパは死後天国で無敵の霊体となり、霊体vs霊体で戦う展開に。パパは「ミスティック・シールド」というドクターストレンジが繰り出すオレンジ色の電熱コンロバリアみたいな技で霊体サメの攻撃を防ぎます。そして最後は素手で立ち向かい、画面は相討ちかのごとき爆発と煙が……すごい……いったい何を見せられているんだ……? しかもサメは実はまだ倒れておらず、ジルが発砲してウィジャ盤をぶち壊したことによりサメは消滅します。サメが消えて「こんなものない方がいい」的に壊した感じではなかったです。二段階認証式か?こいつは…… ⑥アメリカンジョークも忘れない 無事サメを倒したジルは色々あって逃げ延びてきた警官のおじさんとホッと一息をつきます。「一杯どうだ」という警官に「寿司も一緒に」と返すジル。「それは勘弁」と肩を竦める警官おじさん……。笑うところなのかな、これ……。 この後実はアメリカ政府の陰謀だったみたいなことが発覚しおそらく2作目へと続いています。もうねあまりのことに長々書いちゃったよ。Z級映画が好きすぎるとこういうことになるよ!でもこれはちゃんと見れるタイプだからZ級ではない。大丈夫です(なにが?)。次作も見れたら感想文書きます。

August 28, 2023

Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One

この記事を書いている現在で三回観に行ってきたのですが、あらゆるところで騒ぎすぎてもうブログに書かなくてもいいやと思ったけどやっぱり書いておきます。 IMFエージェント、イーサン・ハントに課せられた究極のミッション —全人類を脅かす新兵器が悪の手に渡る前に見つけ出すこと。 しかし、IMF所属前のイーサンの“逃れられない過去”を知る“ある男”が迫るなか、 世界各地でイーサンたちは命を懸けた攻防を繰り広げる。 やがて、今回のミッションはどんな犠牲を払っても 絶対に達成させなければならないことを知る。 その時、守るのは、ミッションか、それとも仲間か。 イーサンに、史上最大の決断が迫る— (公式サイトより) この「全人類を脅かす新兵器」っていうのがAIで、驚異的な計算能力で未来を予測したり、色んなシステムに侵入してデータを改竄しちゃうことができるというヤバさからイーサンハントくんに目をつけられるという話です(雑)。 この設定で面白いなと思ったのは、AIというモチーフが非常にタイムリーであるのはもちろんですが、高度な知能で情報を操作し改竄できるという存在が「相手を騙して目的を達成してきた」ともいえるIMFチームの敵として登場したところです。しかも相手は未来を予測して常に先を読んでいるという……。この完全に「詰み」の状況というのは、これまでのシリーズとは一味違った緊迫感があるなあと。 あと今作はめちゃくちゃ一作目を意識して作られていたのが嬉しかった!特にキトリッジくんね……きみまた列車に乗せられてるんかっていうね。 しかもマックスの娘であるところのアラナも乗車してこの二人のやりとりがあるっていうのが本当にいい。アラナが鼻の付け根?にシワを寄せて表情を作るのめちゃくちゃマックスじゃないですか??泣くが???? 初登場組はグレースやパリスはもちろん、敵役ガブリエルの不穏さ、あとCIAの凸凹コンビも強烈で良かったです。すぐ武力行使するマンと冷静な青年のコンビはずるいよ〜!全然違うけどこの二人を見ながらなぜかTRICKの矢部と石原(兄ィ!の人)を思い出したりしていました。PART TWOでの活躍も楽しみすぎる。 アクションシーンは言うまでもなく素晴らしいし、本当の本当に手が込んでいて、製作陣の凄さに慄くばかりでした。 あとはただ字幕がちょっとわかりにくかったし、結構「意味違くね??」という箇所もあったと思うけれど、それはもうまあまあまあ……ってところで。映画館でぜひ〜!

August 27, 2023

恋する惑星(4Kレストア版)

なんとなく映画は見ているんだけどブログに書く体力が全くなく、でもそうこうしているうちに忘れちゃうからやっぱり書いておこうの精神でパソコンに向かっています。 恋する惑星(原題:重慶森林)は1994年ウォン・カーウァイ監督の香港映画です。あらすじとしては「香港を舞台に二組の男女の感情が交錯する」みたいな感じでおしゃれ感が半端ない。男女二組ではあるんだけど前編・後編みたいにそれぞれのストーリーは独立しているので、四人でわちゃわちゃやってるわけではありません。前編は金城武&「白い粉」運び屋の姉さんの話で、後編はトニーレオンとフェイウォンがキャッキャしている感じです(どんな説明?)。 この映画でいいなあと思ったのは大まかに言って四つなんですけど、一つは色彩!青と赤と黄色で出来ていて、それらが入り混じるとうっすら緑色に見えるようなスゲ〜素敵な色彩で良かったです。 二つ目は全体に漂う多国籍感……。いわゆる中国出身の人だけでなく、インド人や白人(イギリス人?)のキャラクターも出てくるんですね。香港は香港でありそこに住む人は「香港人」の自負があるわけで、とにかく「香港」という土地が培ってきた、政治・文化的背景がごく自然に映像にも生かされている。様々な人種が同じ土地に住んでいるというのは普通のことではあるけれど、香港というイメージが醸し出す「魔界」的魅力は、他の土地には容易に真似できないんじゃないかな。 あと金城武さん、色々中国の映画に出ているけどどういう縁で言語がこんなにうまいのか……?と思ったら台北出身なんですね。知らなかった。 三つ目はフェイウォンが可愛すぎる。あとめちゃくちゃ怖い。フェイウォンはテイクアウトの軽食とかコーヒーを売る店で働いていて、トニーレオン扮する警官が遅番で夜にたびたび買いに来るのをきっかけに恋しちゃう感じの役どころなんですけど、トニーレオンの部屋に勝手に忍び込んで模様替えとかしちゃう感じの女子でもあります。お掃除したり水槽の金魚を買い足したり、可愛いけどやっていることはめちゃくちゃ怖い。このフェイウォンに恋されたら嬉しいけど行動は怖くて泣く。マジで。でもこういうキテレツエピソードも「パンチがあってオシャレ」「フェイウォンだから許せる」みたいな感じでキュートムービーに仕上がっており……いいのか???(困惑) ラストの四つ目は男性陣キャラクターの詩人ぶりがすごく良かった。エイプリルフールに彼女に振られた金城武が、五月一日の自分の誕生日までに復縁できることを祈りながら、五月一日が賞味期限のパイン缶を毎日一個ずつ買う(パイナップルは彼女の好物)とか、トニーレオンが部屋のタオルや石鹸やぬいぐるみを生けるものとして扱い、めちゃくちゃ話しかけるところとか、良いです。濡れタオルから滴が落ちて「泣いている」とかおまえ……何……!?となります(おまえがなんだよ) 最初の三十分くらいは正直「面白いのかこれ?」と一瞬思ったりしたけれど、気がついたら最後まで見ていました。またそのうち見たくなる日が来るかもしれない。

August 25, 2023

OLD JOY

なんとなく思い立って「OLD JOY」を観た。掠れた歌みたいにいい映画だった。 もうすぐ父親になるマークは、ヒッピー的な生活を続ける旧友カートから久しぶりに電話を受ける。キャンプの誘い。 “戦時大統領”G・W・ブッシュは再選し、カーラジオからはリベラルの自己満足と無力を憂う声が聞こえる……。ゴーストタウンのような町を出て、二人は、ポートランドの外れ、どこかに温泉があるという山へ向かう。(公式サイトより) 昔懐かしい旧友と再会したら「全てが楽しかったあの頃」を取り戻せるかもしれない。そんな期待をするけれど、実際にはうまくいかないんですよね。 本当はこの「再会」は始まりに過ぎず、二人がまた仲良くできるかどうかはここからが肝心なのだと思う。だけどこの作品はそんな予感は描かない。久しぶりに会って、最初のうちは楽しいけれどだんだん「なんか考えていたのと違うな……」という暗雲が発生し、あとはただただ気まずい。キャンプファイヤーを二人(と犬)で囲むといういかにも楽しげなシーンが用意されるのですが「こんな気まずいキャンプファイヤーがあるか?」というくらい、全編中最も気まずいシーンでした(気まずいしか言っていない)。曲で言えばここがサビなんじゃないかな。もはやそんなレベル。 そもそも最初から二人とも「久しぶりに相手に会えて嬉しい」感が薄いんですよね。マークはもうすぐ父親になるというプレッシャーから一時的にでも逃避する先を探していただけのように見えるし、カートはカートで人恋しいだけ(ラストシーンにそんな描写がある)みたいなところがある。本編中では物を落としたり手を離したりするシーンが印象的に描かれているんですが、この行為も二人の関係性の中でのポジティヴ(ネガティヴ)さの結果というより、ただただ自分自身の問題でしかないというか……。うまく言えないのですが、そういうところにも「二人の交流」ではない、ものすごい余所余所しさを感じました。 あとこの旅にはマークの飼い犬が同行して非常に癒し要員なのですが、カートはめちゃくちゃこの犬と遊んであげて仲良しになっているのに、マークはそんなに熱心に犬と関わっている様子が見えなかった(気のせいかもしれないですが)のもそれはそれで個人的には気まずさを増幅する要素でした。 映像はとにかく素晴らしいです。フィルムグレインの美しさよ。ピントが合っているようで合っていない(合っている部分が見せたい部分だと思いますが)のもいい。画面のざらつきはそのまま人生のそれに重なる。その緩いとげのような起伏に引き攣れながらも、人生は前に流れていくしかないロードムービーでした。(230402記)

March 25, 2023

SESSIONをメモ帳として使う

SESSION Send Messages,Not Metadataである。純然たるメッセンジャーアプリだがアカウントを知っている知り合いも特にいないので、個人的なメモ帳として利用している。UpNoteあたりに書き留めてもいいのだが、タイトル別に仕分けるより漠然とだらだら書き連ねる方が気楽な場合も多々としてある。 ウェブ記事の一部分だけ抜粋してメモしておきたい時、SESSIONにペーストして適当な訳文をつけておく。あとは見た映画とか読んだ本とか、自分専用の独り言ツールと化している。雑然として押し流されていくが、後になってカオスを遡っていくのもまた面白い。 SESSIONは登録に電話番号もいらないので、導入のハードルがだいぶん低いのもいい。実用の上ではどうかという話はあるだろうが。そんなところ。

March 18, 2023

Everything Everywhere All at Once

観よう観ようと思いながら後回しになっていたのですが、Twitterでも勧めて頂いたので元気よく観に行ってきました。何にも考えないで邦題つけるなら「ミシェル・ヨーのマルチバースでカンフー!」あたりが適当でしょうか。面白かったです。画面の情報量は多かったけれど、ストーリーがとてもシンプルだからか身構えていたほどの「置いてけぼり」感もなく、ちゃんとした人間が作ったメチャクチャ映画だなという感じでした。いつも何を観ているのか? 事前に「邪悪なベーグルが出てくる」という情報提供を受けていたので「いつどこでベーグルが出てくるんだろう」と思っていたらベーグル柄の傘が出てきたので不意を突かれたことは特に意味もなく書き記しておきます。いやベーグル食べたくなっちゃうよな。後々ウェイモンド(エブリンの夫)が国税局内のデスクにあったベーグル食べるシーンを見て「邪悪(であるらしい)なベーグル食ってるからなんか意味がありそう」と思ったと同時に「やっぱりベーグルにはクリームチーズなんだな」と思ったことも書き記しておきます。ご飯を食べずに劇場に入ったのでお腹が空いていて…… あと予想していたよりずっとテンションはダグラス・アダムズでしたね。作品の脊髄神経にダグラス・アダムズが入っているとでも言うか(怖……)ダニエルズ直々に登場してしまうのも笑ってしまった。君らそこで出てくるのか!?ずるいが!?っていうアレです。 別バースで活躍する自分を見て「ウェイモンドと結婚しなければ輝かしい人生だったのかも……」と思ったエブリンだったけれど、最終的にウェイモンドから愛や優しさを学んで「開眼」したのがあまりに良くて泣いちゃいましたね。ベーグルは全てを虚無へ飲み込むけれど、白黒反転したギョロ目シールは光を周囲に与える。この宇宙に重要なことは何一つないとしても、今ここにいる自分が愛するもの、大切にしたいこと、それを自分事として受け入れ(時に)他人との関わり合いの中で生かしていくことの素晴らしさ、みたいなところに着地するエンド。それが一連のカオスの果てに待ってるんだからすげえなあと思いました。

March 17, 2023

The Banshees of Inisherin

先日「イニシェリン島の精霊」を見てきた。端的にいうと「おじさんの意地の張り合い」映画だった。そんな地味なテーマで114分も持つのかと思いきや全然持つからすごかった。 本作の舞台は本土が内戦に揺れる1923年、アイルランドの孤島、イニシェリン島。島民全員が顔見知りのこの平和な小さい島で、気のいい男パードリックは長年友情を育んできたはずだった友人コルムに突然の絶縁を告げられる。急な出来事に動揺を隠せないパードリックだったが、理由はわからない。(公式サイトより) これは半端ねえネタバレなんですが「仲良かったのに急に嫌いになるとかないじゃん……何か重大な種明かしがラストに待ってる系のアレだろ」と思いきや全くそんなことはなく、開始数分で理由は明かされます。エッそんな……ここからどうなるの……?と固唾を飲んで見守るけどどうにもなりません。このあとはひたすら登場人物たち(主にパードリック)がどうにかなっていくのを見守り、あるいは怯えるだけです。そういう映画です。 あとこの映画PG12なんですけど「ポロッと(取れた指が)グロい」の意と言ってもよく(暴言)Gは完全にグロのGなのでちょっとそういう映像でびっくりしたくない方は見ないほうがいいかもしれません。絵面がなかなか詳細だったよ! というかそもそもこの映画、アイルランドの雄大で美しい景色とその中で繰り広げられる閉塞的な人間関係という対比だけでだいぶグロいです。対岸の本土から内戦の砲音が聞こえて来るのに対しては「やってるねえ〜」みたいに他人事なんだけど、自分たちが人間関係でやっていることも大概同じというグロさもある。閉鎖的な田舎で生きてきた人が「都会はおっかねえところだ」と言うけど、若者はそうは思わない(むしろ反発を覚える)みたいな図を連想してしまい、その辺りは個人的にかなり鬱でしたね。 ついでにBansheeは「人の死を叫び声で予告する妖精(妖怪?)」だそうですが、この映画のタイトルはBansheesで複数形なのも鬱ポイントだと思います。 絶交を言い渡すコルムと言い渡されるパードリックとどちらに感情移入して観るか……と言うのはあると思うんですが、個人的にはどっちもどっち、大して変わりはねえと感じました。それは人間としての相似でもあるんですが、人付き合いにおける「実はあいつ苦手なんだよな……」という感覚と「エッ仲良しだと思ってたのにそうじゃなかったんだ……」という感覚のどちらも覚えがあるという点でもどちらかに肩入れできず、それもまた鬱ポイントでした。鬱ポイントしか言ってないな? 積極的に誰かと観にいくのを勧める作品ではないけれど、観た人と感想をぜひ語り合いたい映画だなとは思いました。あとバリー・コーガンはここでもとてもいい仕事をしています。現場からは以上です。

March 14, 2023

Sherlock Holmes The Awakened

クトゥルフ神話的な事件にホームズが挑むアドベンチャーゲーム『Sherlock Holmes The Awakened』が4月11日に発売決定 最近シャーロック・ホームズとシャドウェルの影を読んだのもあり、つい「ま〜たこういうの持ってきたな」と思ったのだが、2007年に発売したオリジナルのリメイク版だそうだ。なお、 本作には「狂気」というシステムがあり、場合によってはホームズが狂気に陥ってしまい事件を解決することができない。 ということで「こんなホームズはイヤだ」ルートも用意されており、よく訓練されたシャーロキアン向けである。いやどうだろうな? クリア時間も15時間程度らしいので、気が向いたらやってみよう。

March 11, 2023

メニューとは

すまないが俺にはこのテーマで思い通りのメニューを作ることがまだ難しいみたいだ。 そんなこんなでゲームが進んでいない。いやちょっとそろそろゲームをしよう。

March 11, 2023