観よう観ようと思いながら後回しになっていたのですが、Twitterでも勧めて頂いたので元気よく観に行ってきました。何にも考えないで邦題つけるなら「ミシェル・ヨーのマルチバースでカンフー!」あたりが適当でしょうか。面白かったです。画面の情報量は多かったけれど、ストーリーがとてもシンプルだからか身構えていたほどの「置いてけぼり」感もなく、ちゃんとした人間が作ったメチャクチャ映画だなという感じでした。いつも何を観ているのか?

事前に「邪悪なベーグルが出てくる」という情報提供を受けていたので「いつどこでベーグルが出てくるんだろう」と思っていたらベーグル柄の傘が出てきたので不意を突かれたことは特に意味もなく書き記しておきます。いやベーグル食べたくなっちゃうよな。後々ウェイモンド(エブリンの夫)が国税局内のデスクにあったベーグル食べるシーンを見て「邪悪(であるらしい)なベーグル食ってるからなんか意味がありそう」と思ったと同時に「やっぱりベーグルにはクリームチーズなんだな」と思ったことも書き記しておきます。ご飯を食べずに劇場に入ったのでお腹が空いていて……

あと予想していたよりずっとテンションはダグラス・アダムズでしたね。作品の脊髄神経にダグラス・アダムズが入っているとでも言うか(怖……)ダニエルズ直々に登場してしまうのも笑ってしまった。君らそこで出てくるのか!?ずるいが!?っていうアレです。

別バースで活躍する自分を見て「ウェイモンドと結婚しなければ輝かしい人生だったのかも……」と思ったエブリンだったけれど、最終的にウェイモンドから愛や優しさを学んで「開眼」したのがあまりに良くて泣いちゃいましたね。ベーグルは全てを虚無へ飲み込むけれど、白黒反転したギョロ目シールは光を周囲に与える。この宇宙に重要なことは何一つないとしても、今ここにいる自分が愛するもの、大切にしたいこと、それを自分事として受け入れ(時に)他人との関わり合いの中で生かしていくことの素晴らしさ、みたいなところに着地するエンド。それが一連のカオスの果てに待ってるんだからすげえなあと思いました。