観てきましたね。以下ネタバレを含みます。

これ完全に「神話」でしたね。なんというかこう、面白かったは面白かったんですが、それよりも「もはやこれは神話だなあ」という感想が自分の中では強かったです。(説明になっていない)

救世主として信仰を集めるポール、それに従う民衆の熱狂、陰謀と確執は砂漠の深い砂のように渦巻いて、全員でその中に飲み込まれていくような、そういう狂気の166分間だったと思います。いや〜〜〜チャニ……(お察しください)。

そしてやっぱりキャストがとにかくいいですね。皇帝がクリストファー・ウォーケンだったのでなんかもうね、この人はさ……「野心家の没落」みたいな役をさせたら一流じゃないですか?(※一流です) そもそも皇帝の過去とかべつに前作でもたいして語られていないのに、初出で「シャダム4世とは何者なのか」みたいなバックグラウンドを存在感だけで表現しているのがすごすぎるんですよね。

そしてレア・セドゥ出てきたからひっくり返るかと思った。レア・セドゥが出てきた時のオタクの反応「レア・セドゥだ!!!!」しかできなかったもんね。レア・セドゥの魔女は似合いすぎるんだよなあ。ベネ・ゲセリット、こういう世に生きる女性はなるべくして魔女になり、力強くて好きですね。

オースティン・バトラーもとても良かったのでフェイド=ラウサが退場してしまって悲しい。なかなか強敵感があったのでもっと活躍が見たかったです。あとなかなかの強敵感だっただけにポールとの決闘シーンがあっさりしていたのも「もっと見せてくれよ!!!」と個人的には思いました。

あと今作を見てリンチ版でスティングが演じた役がフェイド=ラウサだったんだなあと思い出しました。PART1を見て「スティングいないな……?」って思っていたので出てきてくれて良かったです(スティングではない)

フェイド=ラウサの生誕イベ(言い方)も良かったですね。ああいうシーンって映像で見る分にはカラーだと情報量が多すぎて散漫な感じになるのかもしれないなあと見ている時は考えていました。モノクロの闘技場って個人的には「ブランカニエベス」(パブロ・ベルヘル監督 2012)を思い出して、あれも良い映画だった。

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こういう権力者同士の覇権争いみたいな話って(自分に縁がなさすぎて)面白いんですけど、とにかく彼らのエネルギー量が物凄いので観ていてとても体力を使うな〜といつも思います。近年だとゲームオブスローンズとかね。でもどの物語もだいたい一人二人は「普通っぽい」人がいて、そういう人が観客の好感を集めたりすると思うんですけど、DUNEに関しては個人的には今のところそういう人がいないので、何が起きても永遠に「へー! わー! すご〜い!」が続き、続き、気づいたら幕……終わったが……みたいな、割と置いて行かれた感もあります。そのへんが自分の中での「神話」印象にも繋がっているのかな。

ただなんとなくイルーラン姫はそういう「普通っぽい人」的立ち位置な気もするのですが、まあ全ては3に続く……という感じでしょうか。原作まだ未読なんでね……次回作を待つ間に読みたいです。